指を絡ませて。






 いつからかその温もりを忘れてしまった。
 いつもそれに触れるのは掛布の上ばかりで重ねる指の温かさや細さなんて、別のことに夢中で覚えてなんかいない。指を伸ばせばそれはすぐに届くのに、今更変なところで気恥ずかしくてできやしない。
 昔は、そう自分が子供だった頃は、無邪気にその指と指を絡めて手をつないだ。今、「手をつなごう」と言ったら、どんな顔をするだろうか。きっと耳まで赤くして「何を言っているんだ。子供でもあるまいし」なんて怒り出すんだろうな。
 それでも、いいか。目を覚ましたら散歩に誘って、そこでお願いしてみようか。

 今は、目が覚めるまで・・・・・・少しくらいはいいよね。
 ねぇ、武咸尊・・・。